Ouma - Cell Artist -

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視覚的治療室

w1650mm×h2400mm×d1650mm, Acrylic and pen on paper, 2020
東京青山で開催のアートフェスSICF21参加作品
世界中で撮影した216枚の写真を青山や渋谷の写真を中央に据え、細胞のように組み合わせた作品です。
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視覚的治療室

上層:撮影した場所の「道路」をもとに切り絵した作品
下層:撮影した場所の「形」をもとに抽出した色で塗り絵した作品
切り絵の上層の隙間から下層が見えます。

世界中で作家本人が撮影した写真をスパイラルのある青山を中心にまとめたもので、2枚の同じ写真が道路の切り絵と形の塗り絵の重層で表現され、繋がっています。作品を体験した人々が外に出た後に、世界とつながっている道路、世界の色や形に改めて注目したくなるような、世界の縮図でありながら外界とつながる作品として制作しています。
本作では写真1枚1枚が1つの作品と成り立っていながら、隣り合う作品と結合することで大きな作品の一部にもなっています。37兆個の細胞(生命)が1人の人という生命を成しているのと同様の構造が生まれており、これは同時に社会の構造そのものでもあります。
視覚的治療室

ポール・グレアム「都市と野心」でも、都市が発する声について言及されています。ニューヨークはそこに暮らす人にニューヨーカーとしての振る舞いを要求し、同時にニューヨーカーとしての考え方を提供します。都市が発している声の一つを、私は「道」と考えています。日常の生活空間をどう移動するか移動手段は何かというのが、道路の配置や太さによって決まります。道によって移動手段が決まり、人々の行動範囲が自然と規定されていることは、都市が発している声を人が無意識のうちに聞き入れていると考えることもできます。
視覚的治療室

切り絵された上層はその都市を走る「道路」および「川」をトレースして切り出しています。川はかつての移動手段の一つでもあり、川が都市設計に組み込まれているエリアも多くあります。碁盤目状に整頓されて配置されている道もあれば、円形や放射状の道、まばらな道などがあり、さまざまな道が写真の上に造形されています。一枚の写真で表されるのは肉眼で見える風景と俯瞰した時の道の見え方です。下層は写真に写ったもののカタチを抜き出し、その部分から抽出した色を塗って抽象化しています。形や色という日常的に目にする物が私たちの内面に影響を与え続けています。重ね合った二枚の写真とその連なりにより、ヒトと社会、ヒトの内なる声と社会の内なる声を表現しています。
音や匂いなど感覚的要素のうち、今回は特に視覚に注目したインスタレーションとなっています。

視覚的治療室
視覚的治療室

作品企画書
視覚的治療室

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